2017年に見た映画

私はもともと映画館によく映画を見に行く方ではなかったのだけど、京都に引っ越してからここのところ、京都シネマをはじめとするミニシアターにたまに通うようになった。先日はとうとう京都シネマの会員になった。京都シネマの会員制度はちょっと変わっていて、会員募集を1年のうち11月から1月の3か月しかやっていない。ちょうど11月に差し掛かったころに会員割引が入会費を優に超えそうなペースで見ていたのに気づき入会した。

今年見た中で心に残ったものをいくつか。

キャロル

3月に京都シネマで見た。

50年代風の主演の二人のビジュアルと、それをとりまくレトロな小道具の品々にうっとりする。のっけからぐいぐい来る恋愛模様も小気味よく、こっちまで勇気づけられるような。劇中で使われるBillie Holidayの『Easy Living』も、まさにああそれ、という感じでよかった。時代相応に同性愛は治療の対象という扱いで、二人の仲が引き裂かれる(引き裂かれかける)悲しい話ではあるのだけど、それを上回る熱量があった。

20センチュリー・ウーマン

京都シネマで先月見た。

こちらは70年代のカルフォルニアが舞台で、息子(監督)から見た母の話。パンクやフェミニズムなど、その時代をドライブした文化が映画の中に散りばめられている。若者たちはそうしたものまっすぐに自分の生に取り入れて、生きる糧にしようとする。年長者は彼らを無軌道、過激すぎると、怒り、あきれながらも、向き合っていこうとはげむ。みな大変そうなんだけど、全体として優しい日差しが降り注ぐ絵作りで、しんみり、ほんわかする。

エンドレス・ポエトリー

今月京都みなみ会館で見た。ちなみに京都みなみ会館は建物の老朽化で2018年3月中に一時閉館になるそう。

監督アレハンドロ・ホドロフスキーが自身の青年期を象徴的に描いた作品。一番記憶に残るのは、「詩人は何物にもはばまれず、まっすぐ歩く」とアレハンドロと友人エンリケが腕を取り合ってそれを街中で実践するシーン。マジック・リアリズムと呼ぶべきものなのかはわからないけれど、生や感情の昂ぶりに、現実の側が変容しついてくるような世界。

#2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》

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