分割式キーボードBAROCCO MD650LとMD770
プログラムを書くときに使うのはMacBook Proで、キーボードもその本体のものを使ってきた。MacBook Proのキーボードは、数年前はかなり打った感触が薄かったりだとか、チャタリングが多かったりだとかいろいろ問題があったのだけど、少なくとも最近のものはそれらの問題もなくて満足している。なのだが、最近職場で分割式キーボードを使い始めて肩こりがよくなったよといった声がちらほら。分割式キーボードといえば、自作するタイプのキーボードでそういうものがあるのは知っていても、ハードルが高くてあまり検討していなかったが、近年は既製品でもいくつか出ているそうで、がぜん興味が湧いて試してみることにした。
BAROCCO MD770を使い始める
同僚たちが使っていたのがこのMD770。
キースイッチはオーソドックスなCherry MX、キー配列もくせがなく、自分も試すならまずこれからだろうと買った。メカニカルキーボードはだいぶ昔にCherry MX茶軸のものを使った経験があるのだが、少し人のキーボードを触らせてもらって、赤軸の軽いタッチに興味を持ったので、赤軸を選んだ。
- 打ち心地はなかなかよい、東プレスイッチのコトコトは好きだけど、赤軸のスコスコも悪くない
- 通常キーもスタビライザー付きのキーも打鍵音がよく、しっかりした作りに感じられる
- FILCOのパームレストを、付属の2mmの滑り止めをつけて使うとちょうどよい高さ
- 左右のキーボードを繋ぐケーブルがバネ状に巻かれていて結構固いため、広めに離して配置できない
- コードを書くときにこのような押し込みが深いキーボードを使ってこなかったためか、修飾キーがあるキーバインド (Ctrl-T Nみたいな) を早く繰り返し正確に入力するのが難しい
メカニカルキーボードが久しぶりだったのもあって、最初は入力ミスも多かったけれど、次第に慣れて気持ちよく入力できるようになった。全体的によかったのだけど、しかし一部キーバインドがうまく入力できないのには少し悩んでいる。
BAROCCO MD650Lも入手
MD770を購入する時、同シリーズの少し古い機種MD650Lも気になっていた。
カーソルキー付きの65%分割キーボード、ロープロファイル、そして見た目も含め自分の理想に近い。ところが、販売終了とこそ書いてないものの、もう在庫があるところがなく、入手困難だったので諦めていた。
MD770を使った時の課題感から再び欲しい気持ちに火がつき、またちょうどよくメルカリに売りに出された新品同然のものがあったので、少し高価だったが購入した。
この機種にはキースイッチの選択肢はなく、Cherry MLというCherryでもちょっとマイナーなスイッチになる。タクタイルがあり茶軸系。打鍵感の評判はあまりよくないようだ。
使ってみた感想は
- ロープロファイルなおかげで先述したような修飾キーを含むキーバインドが入力しやすい
- 入力時の感触や音は地味な感じで、確かにそんな気持ちいい感じではないかも
- スタビライザーはあまり高級なやつではなく、カチャカチャいうタイプ
- パームレストがいらず、また本体も小さめなので、省スペース
- 小さいが、アルミ製の筐体でそこそこ重みがあり、ガタガタしたりはしない
- 左右をつなぐケーブルがMD770のようなバネ状でないので、左右に広く離して使いやすい
- コードを書くときはEscキーが通常配列におけるバッククオート (`) の位置にあるのが少し問題だが、本体にキーマクロ機能がありEscとバッククオートを交換する設定 (Esc => `, Fn + Esc => Esc) ができる
総じて、コーディング用途では結構いい。キースイッチはロープロファイルでもMXの方の赤軸だったらよかったかもとは少し思う。
ひとまず今はMD650Lで書いている。それなりに満足しているが、打ち心地を求めてMD770に戻るかもしれないし、また別のものを欲しいと思うかもしれない。
そういえば、本来の目的だった肩こりの解消だが、こちらはまだなんともいえない。以前とはちょっと肩のこり方は変化したが、別の場所がこっているだけのような気もする。分割式キーボードで肩を広げてタイピングする時の姿勢はまだ研究中で、左右にどれくらい広げるか、椅子の肘かけの高さや位置などを調整したりしている。MacBook Proの本体キーボードを使っていた時のように姿勢が前傾に寄ったりすることはなくなったため、よくなっているはずだが......