初めての自作キーボード

ここ数年キーボードいくつか買って試してきたが、いよいよ自作キーボードにも興味が出てきた。以前購入したKeychron Q2のキーキャップやスイッチを他のものに交換して、打鍵感の違いを確かめたりするうちに、少しキーボードの内部も分かってきて、自作もできるかもという自信がついたのもある。

KBDfans D65のDIYキットをベースにキーボードを作った。はんだ付けする必要がないソケット付きのPCBのキットなので、自作と言っても、工作というほどの要素はない。自作PCなどと同じく組み立てる、といった感じだ。

youtu.be

このキットには組み立て手順を説明した動画もあり、何をすればいいかは非常にわかりやすかった。

今回自作のため購入したものは以下の通り。

DIYキットにはスタビライザーも付属しているのだが、あえて別途個別に買っている。というのも、Keychron Q2を使っていた時に気になっていたのがスペースキーの音が少し響きやすいことで、自作するならスタビライザーに一番手をかけてあげた方がよさそうだと思ったから。また、DIYキット付属のCherryのスタビライザーを使う場合は、スタビライザーのステムの底面の突起を切り取る手順があるのだが、DUROCKのスタビライザーではそのような突起がないため、その手順を省ける。

youtu.be

この動画を参考にしつつ、スタビライザーには丁寧めにルブ付けした。このルブ付けが組み立ての中では一番難しそうな手順に見えたが、勝手が分かればそんなに難しくはない。

組み立ては、不慣れななりにがんばって3時間程度で終わった。そして、できあがりにも満足している。ポリカーボネートのプレートや、キーキャップ、キースイッチの塩梅により、全体としてはgentleな音やさわり心地になっている。懸案だったスペースキーも、スタビライザーのルブが功を奏したか、まあまあ静か。これから使っていこう。

Keychron Q2

f:id:alpicola:20220220152241j:plain

Keychron Q2は今年1月にKeychronから発売されたキーボード。QシリーズはKeychronの中ではハイエンドの位置付けで、高級な自作キーボードで使われているガスケットマウントのような機構も取り入れた、打ち心地重視のモデル。組み立て済みのものも、組み立てキットも両方販売されている*1

ちょっとよいメカニカルキーボードを触ってみたい、だが、自作キーボードに対しては自分で組み立てると品質を担保できない不安があったので、できれば既製品で使えるものがほしかった。Keychron Q2は製品化のアナウンスがあった時から目をつけていて、ニュースレターも登録していた。元々アナウンスされていた発売時期からは後ろにずれこんだが、1月ようやく発売され、そして、確か発売翌日あたりに注文したと思う。

本体

私の好きな65%のレイアウト。右上にはノブがある*2。この別種の入力機構の存在は、少しワクワクを感じるが、活用する機会は今のところない。

本体ケースはアルミ製。武骨な外観。かなり重さがあり、安定感がある。約1.6kgで、16インチMacBook Proと同じくらいだ。

後ろの方が高くなるチルトが元々ついていて、角度を調整できる足のようなものはない。チルトはあってもなくてもよいと感じる方なので、これはどちらでもよかった。

キースイッチ

Gateron G Proスイッチがついている。軸は赤、茶、青から選べるが、茶軸にした。以前購入したMD770は赤軸だったのだが、MD770をしばらく使っていて気づいたこととして、自分はどうやらリニアなフィードバックに対して割と底打ちしようとして、少し疲れる使用感を覚えてしまうようだった。なので今回はタクタイルで。

果たして打ち心地は上々で、コーディング作業の中で使用するさまざまなキーバインドの入力も問題ない。これまで所有したことのあるメカニカルキーボードのどれよりも気に入っているし、コーディング用途なら東プレスイッチよりもこちらの打鍵の軽さが好みだ。そのよさが、lube済みキースイッチか、本体内部の構造か、もしくは剛性から来るものかは、はっきりわからないが。

キーキャップ

付属するキーキャップは、OSAプロファイルという少し変わり種。高さはありふれた形状のキーキャップ (OEMプロファイル) に近いが、OSAプロファイルは上面が球面状に少し凹んでいる。

これがよいのか悪いのかわからなかったので、別途買っていたOEMプロファイルのキーキャップと付け替えて試してみた。そもそもキーボードのキーキャップの取り替えを行なったのが初めてだったが、キーキャップだけでも使った時の感触は変わるものだなと驚いた。まずその二種のキーキャップで打鍵音が全然違っていた。OEMプロファイルの方が全体的に静かでおとなしい。OSAプロファイルの方がカチャカチャと気持ちいい音が鳴るが、少しおもちゃっぽい騒がしさもある。音はどちらがよいとも言いにくかったが、少し凹みのあるOSAプロファイルが指を置いた時の座りがよかったので、こちらを使っている。


とても気に入っていて、主に仕事で常用している。使っていて気持ちのよい道具は、仕事の中でちょっとした慰めを与えてくれる。分割キーボードを使っていた時の肩を広げた姿勢ではいられなくなってしまったが、キー入力が多い作業とそうでない作業の緩急をうまくやって、肩に負担がかかりすぎないようにしたい。

*1:ただし、組み立て済みは2022年3月現在在庫切れ

*2:ノブのないバージョンも売っている

分割式キーボードBAROCCO MD650LとMD770

プログラムを書くときに使うのはMacBook Proで、キーボードもその本体のものを使ってきた。MacBook Proのキーボードは、数年前はかなり打った感触が薄かったりだとか、チャタリングが多かったりだとかいろいろ問題があったのだけど、少なくとも最近のものはそれらの問題もなくて満足している。なのだが、最近職場で分割式キーボードを使い始めて肩こりがよくなったよといった声がちらほら。分割式キーボードといえば、自作するタイプのキーボードでそういうものがあるのは知っていても、ハードルが高くてあまり検討していなかったが、近年は既製品でもいくつか出ているそうで、がぜん興味が湧いて試してみることにした。

BAROCCO MD770を使い始める

同僚たちが使っていたのがこのMD770。

archisite.co.jp

キースイッチはオーソドックスなCherry MX、キー配列もくせがなく、自分も試すならまずこれからだろうと買った。メカニカルキーボードはだいぶ昔にCherry MX茶軸のものを使った経験があるのだが、少し人のキーボードを触らせてもらって、赤軸の軽いタッチに興味を持ったので、赤軸を選んだ。

  • 打ち心地はなかなかよい、東プレスイッチのコトコトは好きだけど、赤軸のスコスコも悪くない
  • 通常キーもスタビライザー付きのキーも打鍵音がよく、しっかりした作りに感じられる
  • FILCOのパームレストを、付属の2mmの滑り止めをつけて使うとちょうどよい高さ
  • 左右のキーボードを繋ぐケーブルがバネ状に巻かれていて結構固いため、広めに離して配置できない
  • コードを書くときにこのような押し込みが深いキーボードを使ってこなかったためか、修飾キーがあるキーバインド (Ctrl-T Nみたいな) を早く繰り返し正確に入力するのが難しい

カニカルキーボードが久しぶりだったのもあって、最初は入力ミスも多かったけれど、次第に慣れて気持ちよく入力できるようになった。全体的によかったのだけど、しかし一部キーバインドがうまく入力できないのには少し悩んでいる。

BAROCCO MD650Lも入手

MD770を購入する時、同シリーズの少し古い機種MD650Lも気になっていた。

archisite.co.jp

カーソルキー付きの65%分割キーボード、ロープロファイル、そして見た目も含め自分の理想に近い。ところが、販売終了とこそ書いてないものの、もう在庫があるところがなく、入手困難だったので諦めていた。

MD770を使った時の課題感から再び欲しい気持ちに火がつき、またちょうどよくメルカリに売りに出された新品同然のものがあったので、少し高価だったが購入した。

この機種にはキースイッチの選択肢はなく、Cherry MLというCherryでもちょっとマイナーなスイッチになる。タクタイルがあり茶軸系。打鍵感の評判はあまりよくないようだ。

使ってみた感想は

  • ロープロファイルなおかげで先述したような修飾キーを含むキーバインドが入力しやすい
  • 入力時の感触や音は地味な感じで、確かにそんな気持ちいい感じではないかも
  • スタビライザーはあまり高級なやつではなく、カチャカチャいうタイプ
  • パームレストがいらず、また本体も小さめなので、省スペース
  • 小さいが、アルミ製の筐体でそこそこ重みがあり、ガタガタしたりはしない
  • 左右をつなぐケーブルがMD770のようなバネ状でないので、左右に広く離して使いやすい
  • コードを書くときはEscキーが通常配列におけるバッククオート (`) の位置にあるのが少し問題だが、本体にキーマクロ機能がありEscとバッククオートを交換する設定 (Esc => `, Fn + Esc => Esc) ができる

総じて、コーディング用途では結構いい。キースイッチはロープロファイルでもMXの方の赤軸だったらよかったかもとは少し思う。

ひとまず今はMD650Lで書いている。それなりに満足しているが、打ち心地を求めてMD770に戻るかもしれないし、また別のものを欲しいと思うかもしれない。

f:id:alpicola:20190609014312j:plain

そういえば、本来の目的だった肩こりの解消だが、こちらはまだなんともいえない。以前とはちょっと肩のこり方は変化したが、別の場所がこっているだけのような気もする。分割式キーボードで肩を広げてタイピングする時の姿勢はまだ研究中で、左右にどれくらい広げるか、椅子の肘かけの高さや位置などを調整したりしている。MacBook Proの本体キーボードを使っていた時のように姿勢が前傾に寄ったりすることはなくなったため、よくなっているはずだが......

4Kゲーミングのため自作PCをアップグレード

2020年は家にいる時間が長かったこともあり、よくゲームで遊んでいた。今の自作PCを組んだのは4年前のこと。最近のゲームも遊べないこともないが、グラフィック設定はどうしても低めになってしまうので、この機にアップグレードすることに。

目標としては最近のゲームをある程度の画質で4K出力で遊べること。在宅勤務の開始時に4Kディスプレイを購入してから、4K解像度に目が慣れてしまって、ゲームする時もそれを落としたくなかったので。一方、競技性の高いFPSゲームなどはあまりやらないので、フレームレートは追求しない。60出ていればいいか、くらい。結果的に、以下のパーツの換装でおおむねそれが達成できた。

GPUは、なぜ今RTX 2070という感じだが、それは単純にGPUだけ2020年初頭に購入したから。GPUの換装だけでも割と4Kで遊べたのだが、SnowRunnerではCPUの使用率が90%以上のところに張りついて、そのせいか一時的に大きくフレームレートが低下することが多発していたので、12月ごろCPU・マザーボードも入れ替えた。CPUはAMDの躍進っぷりを見るとそちらに手を出したくもなったが、現状Ryzen 5000シリーズの入手性が悪く、またGPUと比べるとボトルネックになりにくいところだったので、あまりこだわらずIntelCore i7を買った。マザーボードもこだわりはなかったのだが、LGA1200かつMini-ITXだと選択肢が少なく、ASUSだとゲーミングブランドものしかなかったのでそれを買った。

CPUとマザーボードの換装時、前回虎徹の大きなファンが邪魔で苦労した経験から、今回はリテールファンを取り付けた。おかげにだいぶ楽に作業できたし、今のところ冷却には余裕がありそう。夏はどうかわからないが……

Cyberpunk 2077

さて、現代におけるゲーミングPCのベンチマークになるゲームといえばCyberpunk 2077。これが4Kで快適に遊べるのが今回のアップグレードのkey resultになるだろう。

まずGeForce Experienceのゲームのグラフィック設定を最適化する機能を使って、適切な設定を見つくろった。それによると、全体的な品質はHigh、解像度は4K、そしてDLSSはPerformance設定。やはり残念ながらレイトレーシングはオフ。DLSSというのは、RTX以降のGPUにある機能で、設定解像度よりも低い解像度でレンダリングしてから、超解像で設定解像度にスケールして出力してくれるもの。Performance設定は50% (つまりフルHD画質) でレンダリングして、4Kにスケーリングするのに相当する。今のセットアップで、4K解像度で普通に遊べるゲームが多い中、フルHDベースになるのは、やはりこのゲームのレンダリング負荷の高さを示していそう。

実際遊んでみると、DLSSはいい仕事をしてそうで、元が50%でレンダリングされているとは思えないくらい、ぼやけた感じはない。とはいえ超解像に得意、不得意はありそうで、場面によってはざらざらと荒れて見えることもあった。フレームレートは開けた場所などで50前後まで下がるものの、それ以上大きく下がることはなく、特にストレスなく遊べている。

f:id:alpicola:20210110131521p:plainf:id:alpicola:20210110131620p:plain

全体的には、自分が以前遊んでいたオープンワールドRPG (Fallout 4やThe Outer Worlds) の水準からすると、人物アップの画も、風景も、ディテールの描画がかなりよくなっていて、ちょっと感動もの。これが堪能できるだけでもアップグレードの甲斐があった。

GPUやCPUの使用率を見ると、CPUは30~40%で余裕がある一方、GPUは使い切っている印象で、今ボトルネックになるのはやはりGPUだろう。RTX 3000シリーズが出てから買えばよかったかなとも思いつつ、一方でDLSSに対応したRTXであるおかげでそこそこ満足できる画質で遊べているのもあって、あながち失敗とはいえないかもしれない。

『SnowRunner』オフロードトラックで挑む大自然オープンワールド

『SnowRunner』は過酷な自然環境下で荷物を運ぶオフロードトラックを主役としたドライビングシミュレーションゲーム。私はそもそもこういったジャンルのゲームをあまりやらないどころか、現実でも車の免許を持っておらず、「クラッチ」「ローギア」何っていうところからのスタートだった。しかし、コロナが蔓延した今、自然に触れる機会を代替してくれるものを探して始めたら、すっかり夢中になってしまった。

積み荷を受け取って、指定された場所まで運ぶのが基本的なミッション。その途上で、崖上の狭い道だったり、道が崩落していたり、凍結していたり、とても道とはいえないドロドロの泥沼になっていたり、といった困難が待ち受けている。一般的なドライビングゲームと違い、気持ちよく走ることはほとんど許されない。さらにスポーン地点はごく限られており、チェックポイントもないため、ひとたび横転や、ぬかるみにはまりこんでスタックしてしまうと最初からやり直すほかない。そのため、運転には常に慎重さが求められる。序盤、何度も同じところで横転してしまってまるで先に進めない時、地図上では近くに見えた配達先に向かうのに、泥濘に足をとられて、何十分もかけなくてはならなかった時など、私はこのゲームを投げ出したいと思った。だが、経験によるスキルの向上に加え、ミッションをクリアするにつれて新しい車両やパーツがアンロックされるため、以前苦労した悪路も次第に乗り越えられるようになっていく。

こう書くと少し妙だが、オープンワールドRPGのようだといってもいい。マップはいくつかの地域に分かれてはいるが、一つ一つが広大なオープンワールドになっている。このゲームに敵というのは登場しないが、地形の険しさや泥の深さなどによってレベルデザインが行われており、タスクをこなしてプレイヤーがレベルアップしていくことで、これまで進めなかった場所に進めるようになるのだ。そして、ただ単にマップを探索するのも楽しい。どのマップも自然の描写が美しく、またマップごとの特色にも富んでいる。ミシガンの湖沼、島嶼地帯、雪深いアラスカの港、シベリアの荒涼とした山間の村、DLCマップだがオーロラがきらめく極寒の北極地域もある。自分の足(トラック)でこれらの地を踏破して、移り変わる景色が楽しめる。

f:id:alpicola:20210102175652p:plainf:id:alpicola:20210102175735p:plain
f:id:alpicola:20210102175814p:plainf:id:alpicola:20210102175848p:plain

物理シミュレーションゲームとしての側面もある。深い泥、降り積もった雪、凍り付いた雪、どれも悪路には違いないが、それぞれ別に物理的挙動がモデリングされている。一度走行すると、泥の道は掘り返されてぐちゃぐちゃになったり、雪は踏み固められたりする。ある道が走破できるかどうかは、そうした路面の状況から、エンジンの出力、タイヤの性能、ギアのかけ方、タイヤと路面の接し方、車体と路面の摩擦などなど、かなり多岐にわたる要素が関わっている。さらに運搬タスクや燃料との兼ね合いもあり、どのトラックが最強か、どこを走ればいいか、という問いにシンプルな答えはなく、どの状況で何が有効だったかを走って覚えていくしかない。非常に困難に思えた道が少しルート取りを変えて挑むと、すんなり行けるということはよくある。ごくまれに、Havokの神(物理エンジン)の気まぐれで、不自然な軌道を描いて大きくバウンドすることも。

総じて、新しい、楽しい体験を与えてくれたゲーム。町で見かけるトラックに対しても見る目が変わり、特に8輪以上あるような大型の車体にはどこか畏敬すら覚える。いつの日か自分で運転してみたいと思う時が来るかもしれない。

f:id:alpicola:20201230195503p:plain
一人称視点で見れる車の内装。メーターやミラーは機能している。

1月8日まで40%オフのセールだそうだ。

www.epicgames.com

自転車の練習

私は自転車にうまく乗れない。実は幼少のとき練習して一度乗れるようになったのだが、その後自転車に乗ることがない暮らしをしていたら、乗り方を忘れてしまった。初めて乗れるようになってから10年経って高校生のとき、明日香村を訪れて、レンタルサイクルで辺りを散策しようとしたら、どうしてもバランスを取って走ることができなくなっていることに気づいて、自転車での散策は泣く泣く諦めることになった。

それからずっと自転車に乗るのは諦めていたが、京都に移住し、京都は自転車が便利だよ、とすすめられることも多く、練習してまた乗れるように(昔乗れたんだから、ちょっと練習すれば乗れるはず!)なっておいてもいいんじゃないかと思い始めた。といってもしばらく、練習場所はどこが適切かわからない(開けた公園などは自転車侵入禁止のことが多い)とか、そもそもこの歳で自転車の練習してるのも恥ずかしいとかあって、なかなか手がつかなかった。が、練習に協力してくれる人を見つけて、やっと練習に取り組むことができた。

練習場所は結局本当に理想的な場所というのは見つからず、人通りの少ない道でやることに。練習の内容は以下のようなもの。

  1. ペダルを漕がない状態で、バランスを取れるようになる練習
    • ゆるい下りの傾斜が付いている場所を使うことで、ペダルを漕がなくても前には進む
    • 最初は自転車後方を軽く押さえてもらう補助をしてもらいながら走り、慣れたら補助をなくしていく
  2. ベダルを漕ぐ練習
    • 傾斜がないところをペダルを漕いで進む
  3. 曲がる練習
  4. そこら辺を少し走ってくる練習
    • これで修了

果たして乗れるようになるのかと事前に不安もあったが、だいたい1時間でこれを一通りこなし、一応乗れるようになった。思ったよりはスムーズだったけれど、少し詰まったところもある。曲がるときや、登り坂の時にふらついてしまいがちだったのだけど、「上体の力を抜く」「足親指の付け根の部分でペダルを踏む」などアドバイスしてもらって、もう少しうまく走れるようになった。

練習メニューは、練習に付き合ってくれた人が考えてくれた。親切な指導に感謝。


ところで、自転車の練習をするきっかけは「京都に来たことだし」だったが、最近仕事の都合で再び居住地を東京に移すことになった。とはいえ、こちらでも自転車を活用していければ、と思う。

今年見た映画、演劇

今年は相変わらず映画も見ていたけれど、年の初めに思い立って『PHOTOGRAPH 51』のチケットをとり、その後もちょくちょくお芝居を見に行くようになった。もともとここ数年で戯曲を読むのが好きな自分に気づき、その延長で見に行ったのだけど、これはなかなか大きな転換点だったと思う。映画と比べると公演のかなり前にチケットを確保したり、チケット代もそれなりだったりと、あまり気安く行けるものではないのはそう。でもやはり舞台の上の役者さんの演技をこの目で見れるのはよかった。

見た中で特に好きなものを映画、演劇交えて軽く紹介。

シェイプ・オブ・ウォーター

3月にTOHOシネマズで見た。

題にもある水、そして卵、指といったフェティッシュを帯びた品々、突っ走るファンタジー・ロマンス、そしてバイオレンス、様々なマイノリティたちの団結を描く政治性、面白くなりそうな要素をこれでもかと詰め込んだ最高のエンタメ作品だと思う。

『PHOTOGRAPH 51』

www.umegei.com

4月に梅田芸術劇場での公演を見た。最初に書いたように、これが個人で見に行くのでは初めての演劇体験。

50年代分子生物学における悲劇のヒロイン(?)ロザリンド・フランクリン板谷由夏さんが演じている。が、このロザリンドは、平凡な悲劇のヒロインなんてものじゃなくて、どこまでも峻厳で気高い(やはり悲劇的ではあるが)。女を人並みには扱わない当時の研究環境にあって摩擦は避けられず、苛烈な会話劇になっている。ロザリンドとウィルキンスがシェークスピアの『冬物語』を語り合う場面が、劇中唯一の温かい会話のシーンであり、かつ『冬物語』が物語全体のテーマのバックグラウンドとなっていて、印象に残った。

ブリグズビー・ベア

7月に京都シネマで見ている。レイトショーだったんだけど、観客が自分の連れと、あともう一人しかいなくてちょっと心配になった。

80年代子供向け番組を模した作中作品『ブリグズビー・ベア』だけを見て育った青年を描く青春映画。映画はその『ブリグズビー・ベア』のムービークリップ、主人公ブリグズビー・ベアが仲間のスマイル・シスターズと協力して宿敵サン・スナッチャーを撃退する一場面から始まる。そのまさにVHS的な映像に一瞬で好きになってしまった。

『スカイライト』

www.nntt.jac.go.jp

先日12/27に兵庫県立芸術文化センターの公演を見に行った。

やっぱり結ばれえない男女の会話劇に心惹かれるものがあるのかもしれない。ふっと表出する愛、どうしようもない断絶を前に通り過ぎる愛。